雨の日々の中で感じた息子の成長

4歳になった息子が、
何かを見つけ持ってきた。

それは、
もっと息子が小かった頃に使っていた
おぶい紐(おんぶする時のひも)
だった。

息子にこの紐の説明をした。
当たり前のことだが、
覚えていない。

2歳ごろの息子を思い出す。

外は雨。
今日はずっと家。

思わず、
「おんぶしてみる?」
と。

おぶい紐を広げて、
息子の両足を輪のなかに入れた。

紐を通し、
背負ったまま立ち上がる。
息子の足が床から離れる。
肩にずっしりと食い込む。

知らず知らずに
こんなに成長してことに驚く。

「お母さん大丈夫?」
と言いながら。

息子は大喜び。

「頑張れ、頑張れ〜」
と背中から息子の声。

しばらく雨の日は
こんな遊びが続いた。

 

久しぶりに晴れた日。

息子と公園で、
雨の日を取り戻すかのように、
夕方まで走り回った。

私も息子も遊び疲れてぐったり。

家に帰る途中、
雨が降ってきた。

カバンの中には、
折りたたみ傘が、
一つだけ入っていた。

隣の息子は、
雨が降ってることも分からないくらい、
遊び疲れ、
歩くのがやっと。

息子に傘を持たせ、
おんぶして帰ることにした。

後ろの息子から
「お母さん、大丈夫?」
と。

その後、
後ろの息子から、
さらにもう一言。

「お母さん・・・・」

と、
ゴニョゴニョと二人で相談。

 

私は歩きながら、
前から人が来ると、

「大丈夫?」
「転んで足怪我したけど、痛くない?」

と大きな声で、
このセリフを繰り返した。

 

後ろの息子から、

「ありがと、お母さん」

このセリフも繰り返された。