「おばあちゃん、
みんなに好かれるには
どうしたらいいの?」
おばあちゃんは、
孫にこう話しました。
「春になると、
皆が谷間を覗いてみてはるでしょ」
「谷間の先には
桜の花が咲いてるんよ」
「それはねえ、
桜が春になって、
力一杯、
喜んで咲いているからよ」
「桜は谷間だから嫌だなんて、
思っていないの」
「谷間の様な低い所でも、
輝いているんよ」
「おまはんも、
あの谷間の桜の様にならんとね」
「あの谷間の桜の様に、
明るく咲いてみなはれ」
「そしたら、そうなるんよ」